雨、東京。3日目
2017年11月16日 伊藤彰峰
(このブログは前回の記事「雨、東京。2日目」の続きです)
(3日目)
3日目は荷物を東京駅のコインロッカーに入れた後、午前中から千駄ヶ谷の「東京将棋会館」へ。
数年前から俗に言う「観る将」になったので、一度行ってみたいと思っていました。平日だったからか、本当に静かで、失礼を承知で言えば昭和の時代から時間が進んでいないのでは?と感じるようなところでした。
将棋棋士の対局を見ていると、先を読む能力とか記憶力などこんなに頭が良い人がいるんだなと、その自分との違いに笑えるぐらい感心してしまいます。それでいて、皆さんのキャラクターもおもしろいんですよね。個性派揃い。
大きな注目を浴びる藤井四段の登場や、今まさに永世七冠のかかった竜王戦に挑戦中の羽生棋聖など、話題にことかかない将棋界が今以上に注目されるようになってほしいなと、一将棋ファンとして願いながら、自分も広告制作という形で携わることができないだろうかと野望を抱きつつ向かった次の場所は、将棋会館から歩いて10分ほどの「手打蕎麦 松永」
前に将棋の番組で解説の先生方が行かれていたのを見たことがあったので、行こうと決めていました。本旅唯一のごちそうである天ざるをいただきました、美味しかった。
店を出たあとは、ぶらぶらと原宿駅方面へ。そのまま20数年ぶりに「竹下通り」を歩きました。
平日の昼間なのに凄い人の数!外国から観光に来ている方も多く見られ人種も様々。今回の旅で、一番「東京」を味わうことが出来た場所になりました。
次に向かったのは、六本木の「東京ミッドタウン」
「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017」を見て回ります。 まずは「TOKYO MIDTOWN AWARD」から見学。
いろいろな作品が並ぶ中、一番印象に残ったのがこちらの作品。
ポイントをおさえた、現実的な作品だと思います。
次に見学したのが「FUJIFILM SQUARE」で開催されていた「マグナム 創設の原点」
「世界中に影響を与えた写真家集団」ということですが、勉強不足で全然知りませんでした。印象的な写真が多く「世界中に影響を〜」というキャッチコピーにも納得。
次に訪れたのが「サントリー美術館」
開催されていた催しは「天下を治めた絵師 狩野元信」
狩野元信本人の描いたものよりも、元信が作り出した方法(書道の「楷・行・草」のように、描き方も「真・行・草」の3種類に整理する方法。緻密な構図と硬い描線を用いるのが「真体」、少ない筆数で形を崩すのが「草体」、その中間が「行体」)を踏襲した弟子などの作品の方が多かったように思います。
この方法を確立したことによって「作業の効率化」につながり、クオリティを維持した作品を大量に生み出すことが出来たようです。現代で言えばディレクションでしょうか。描く力があるからできるんですね、勉強になります。
次は、この旅最後の目的地となる「国立新美術館」へ。
目的は「安藤忠雄展-挑戦-」
今回、色々見て回った美術・デザイン関係の催しの中でも、群を抜いた情報量で、予定していた時間ではとても見切れないボリュームでした。独学で学ばれて、ここまで名の知れた建築家になるというのは本当に凄いことです。並々ならぬ努力があったのだろうと言葉でいうのは簡単ですが、逆に考えると、世間も本物の才能は見逃さないということでしょうか。圧倒され疲れました。
その後、東京駅でおみやげを探したりしましたが、以上で今回の研修(という名の旅行)は終わりです。
3日間雨に降られっぱなしで、そこだけは残念でしたが、思い返してみれば意欲的にいろいろな人や物を見て、今後の仕事に活かせるものはないかと積極的に行動した3日間だったと思います。 でもそれって「日頃からできることなのでは?」と改めて思い返すことができたのが、今回の一番の収穫になりました。 ふだんは名古屋の街を下を向いて歩いてるだけですから。
特別な状況だからやるのではなく、日頃から積極的に行動することによって、日常を特別なものにすることが大事だなと。今後、実践することができるか… これも一つの自分に対する挑戦です。 その時に見える景色を楽しみにしつつ、やたらと長くなってしまった今回の旅行記を終わりにしたいと思います。